2022年1月26日、宮城県庁経済商工観光部、ニジェゴロド州観光開発・民芸品局の主催によるWEBセミナーが実施され、ニジニー・ノヴゴロド市民に宮城県の観光ポテンシャルが紹介されました。
仙台市-宮城県の県庁所在地
宮城県は日本の北東部、東北地方に位置し、面積は約7,500㎢、人口は230万人です。宮城県の県庁所在地は仙台市で、宮城県総人口の約半分にあたる110万人が住んでいます。太平洋東岸に位置する仙台市は、東北地方の経済や文化の最大都市です。
仙台市は1600年に強健な領主である伊達政宗公により建都されました。伊達政宗公は封建時代の16~17世紀を生き、東北地方南部を統治、都市部同様、農村部の開発に多く携わりました。当時つけられた宮城県境は、今日まで現存しています。彼の家臣である支倉常長は、1613年に外交ミッションでヨーロッパを訪れた初の日本人で、ローマ法王に謁見しています。次の日本の使者のヨーロッパ訪問は200年後の1862年でした。
伊達政宗公像は観光名所としてだけでなく、鎧がダース・ベイダーのモデルとなったため、「スターウォーズ」のファンの巡礼地となっています。
PH伊達政宗公像
仙台市は杜の都と呼ばれています。メインストリートにはケヤキが植えられ、緑のアーチを形成しています。定禅寺通りでは、夏は木陰での散歩、冬はイルミネーションを楽しむことができます。光のページェント祭は、ケヤキに1,000ものランプが付けられ、光のトンネルをなしています。光のページェントは仙台市で1985年から始まり、12月の数週間にわたり続きます。
PH光のページェント
宮城県庁経済商工観光部顧問の本郷氏によると、仙台市から東京までは新幹線で1時間半です。ロシアから東京への便のある羽田国際空港と仙台と結ぶ便があります。パンデミック前まで、中国、韓国、タイや他のアジア諸国からの国際便が仙台空港に離発着していました。
仙台市にはたくさんのホテルがあります。日本のホテルは文化的なサービスで有名で、Booking.comで高い評価を得ています。2021年、変なホテルチェーンのイノベーションホテル「変なホテル仙台国分町」がオープンしました。ホテルのサービスはすべて自動化しています。チェックイン時宿泊客は電子カウンターで自分でチェックインします。登録は伊達政宗公と恐竜のホログラムが手伝ってくれます。ホテルの入口には伊達政宗公が祀られている東照宮が映し出されています。
PH変なホテル仙台国分町
仙台市は太平洋岸に位置することから、宮城県の他の地域と同様、魚介類が名物です。特に牡蛎については誇りがあり、宮城県の生産高は広島県とともに1位を誇っています。地元の寿司や笹かまぼこをお試し下さい。
宮城牛はA5、B5ランクと評価されており、柔らかさや品質は神戸牛の霜降り肉に劣りません。牛タンのグリルも名物のひとつです。
米は和食の基本で、宮城県では米が大量に生産されています。従いまして、地酒も高い評価を得ています。
仙台市及び宮城県では伝統的な祭りから現代的な祭りまで、年中様々な祭りが催されています。もっとも有名な祭りとして、伝統日本舞踊、ストリート・ジャズ。七夕祭りがあります。
七夕祭りは7月7日に日本で祝われる伝統的な日本の祭りですが、宮城県では8月初めに大々的に祝われるお祭りで、毎年200万人以上が訪れます。数百年の伝統をもつ祭りで、仙台市では建都から祝い始めました。祭り中は壮大な飾り付けがされ、街の至る所で伝統的な飾り制作のワークショップが催され、この祭りに関係する特別なダンスを踊り、夕方にはライトショーが行われます。
松島-宮城の真珠
松島とは湾の名前であり、湾に位置する湾岸の町の名前でもあります。宮城県で最も有名な観光地は松島です。松島は京都府の天橋立、広島県の宮島とともに、日本三景とされています。松島湾には260の小さな島が点在し、松の木で覆われています。2013年、松島湾は日本で初めて世界で最も美しい湾クラブに加盟しました。
PH松島
松島は外国人だけに人気があるわけではありません。日本在住者もよく訪れます。3万人以上の観光客が毎年松島を訪れます。観光船では海岸からだけではなく、海からの景色も楽しめます。山の展望台からは、松島湾と太平洋の開かれた眺望を楽しむことができます。
独特の自然以外に、観光客は国の歴史が残された建築物も楽しむことができます。松島町の中心には807年建造の五大堂という寺院があります。寺院の中には、五大明王像が安置されています。
また、建築物の傑作として、828年建造の瑞巌寺があります。1600年に実施された修復作業には、伊達政宗公が多く参加しました。寺院群は2011年の大震災により多大なる被害を受け、修復終了まで5年の歳月を費やしました。
また、松島の寺院群として、伊達政宗公の息子の伊達忠宗公により1646年に建てられた円通院があります。この寺院の名刺となっているのは、絵のように美しい日本庭園です。観光客は紅葉を見に来ます。夕方には96もの樹木が150のLED電球で飾られます。松島には豊臣秀吉から贈られた観瀾亭という茶室があります。ここでは美しい湾の景色を楽しみながら抹茶を味わうことができます。
宮城県のその他の見どころ
宮城県と山形県の県境には、火口湖として有名な蔵王連峰があり、神秘的な雰囲気を楽しむために年中観光客が押し寄せます。クレーター湖であるお釜は蔵王町のシンボルとなっています。
PHクレーター湖、お釜
秋になると、湖までの道路には紅葉した木々の息をのむような眺望が頂けます。冬は「雪の怪物」もしくは「雪の幽霊」と呼ばれている樹氷を見るために、雪上車のWild Monster Carで行くことができます。これらの雪の彫刻は凍った水蒸気と水滴で発生します。一番大きく成長するのは2月です。
PH「雪の怪物」宮城県の樹氷
蔵王にはお釜だけではなく、キツネ村もあり、日本人や外国人観光客がキツネと触れ合うために訪れます。冬のキツネは特に美しく、新しい冬の毛が成長します。
PH蔵王キツネ村
沿岸に位置する石巻市田代島にはたくさんの猫がいて、人間の数より多いそうです。
PH猫の島、田代
北宮城の伊豆沼と内沼は「白鳥の湖」と呼ばれています。白鳥、白ガチョウや他のシベリアからの渡り鳥の越冬地となっています。
宮城県は桜も有名です。例えば京都では3月には開花しますが、宮城県では4月に満開を迎えます。県南の白石川には8.5kmにもわたる桜並木があり、1,200本の桜が植えられています。この場所は「1,000本の桜が一度で見られる」という意味の「一目千本桜」と呼ばれております。パンデミックまでは直行便のない場所からも観光客が訪れました。
PH白石川沿いの桜
秋には宮城県の鳴子温泉に観光客が訪れます。この場所は秋の紅葉が日本で最も美しい場所です。10月下旬から11月中旬まで紅葉を楽しみに観光客が訪れます。
PH鳴子温泉郷と中山平間の紅葉の谷
宮城県には温泉がたくさんあります。露天風呂からは、海のように山の眺望が楽しめます。遠刈田温泉の中心部には神の湯があります。温泉の効能により、神経痛による筋肉の痛みを和らげます。ここではヒバの木の香りのお風呂を楽しめます。遠刈田温泉から20分のところに、450年の歴史を有し、治癒の湯とされている青根温泉があります。青根温泉は「若返りの湯」と呼ばれています。アルカリ含有量の少ない湯が肌を滑らかにするからです。南三陸温泉のホテル観洋は三陸海岸に位置しており、その美しさを露天風呂から楽しむことができます。
2011年3月、宮城県は東日本大震災で甚大な被害を受けました。ロシアを含め、世界中の国々から支援を受けました。復興は今も続いています。緊急事態で働く方法を学ぶために、宮城県には他国から人々が訪れています。